「恋に落ちた」は誇大広告のような気もしますが(笑)、「普通」から「好き」への転換が一番鮮烈だったのは旦です。
正直彼が登場したばかりの頃は、あまり興味がなかったんですよ。「物語で描かれない部分で活躍するタイプのキャラだし、旦が死ぬと歴史も変わっちゃうから生き残るだろうし、思い入れが生まれるようなシーンはなさそうだな~」と早合点してしまって。
「物語で描かれない」の部分はあたってしまいましたけれども、そんな出番的には恵まれないキャラクターもしっかり魅力的にするのがフジリューマジック!予想はいい方に裏切られました。
私が旦の魅力に目覚めたのは、太公望とのやりとりでのこんな一言。
「そんな父上だから・・・子供の頃は滅多にごちそうが食べられず不満でしたよ」
うまく説明できないんですけど、このセリフってすごくないですか?(全然だめな文章)
このセリフは太公望が語った若かりし頃の姫昌のエピソードに対するコメントでした。ここの太公望は珍しいことにキラッキラしていて、まるでとっておきの宝物でも披露するような感じで思い出話をしています。そんな太公望が「器が大きい」と褒めちぎった姫昌の行為を「自分は理解できなかった」と告白したんですよね。自分の器の小ささをさらけ出して姫昌に敬意を払ったところが、好きになったポイントだったんだと思います。
改めて読み返してみると、旦は非常に己をわきまえた人ですよね。逮捕された太公望の糾弾も真摯に受け止めていました(太公望の前ではそんなことをおくびにも出さないところが彼らしいのですが・笑)。
欠点も含めて自分の力量を冷静に受け止めるというのは難しいものですが、それができる旦だから上の受け答えになったのではないかと思います。
彼自身の自覚はなさそうですが、こんなところが旦の「器の大きさ」なんでしょうね。
基本的に彼には「自分へのこだわり」が感じられるシーンがほとんどありません。わたくしに利することなんて考えもつかないし、くだらない自己保身に走ることもない。国が良い方向に進んでいけばそこで自分の名前が語られなくても構わないし、必要以上の責任を感じてしまうこともない。そんな人のように感じます。
加えて旦を見ていると、出番が少ない人にも一貫したキャラクター性を感じさせてくれるフジリュー先生は本当にすごいと感動してしまいます。
拍手たくさんありがとうございました・・・!疲れが空まで吹き飛びました!
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